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34歳の時、地下鉄名城線の矢場町駅から徒歩圏内の賃貸マンションに家賃4万7千円ほど(共益費・水道代・インターネット代込み)で一人暮らしすることになり、思いがけず手中にしたアーバンライフとやら。
これ見よがしに「シティーボーイなので」と周囲に自称しながらも、内心ではそれをまずは自分自身で滑稽だと戒めるように努めていたはずだった。しかし一方で、この矢場町での生活を謳歌するためには、ひょっとしたら心の片隅でシティーボーイを気取って浮かれているべきではないかとも薄々気づき始めていた。雑誌のPOPEYEに載ることのないシティーボーイライフだってあるはずだと、信じたかったのだ。
平日は、仕事に忙殺されながら帰りに寄った定食のやよい軒で、ついついごはんをおかわりし過ぎることを繰り返す日々。束の間の週末は心躍りながら街へと繰り出していくことで、その視界は以前に矢場町へ遊びに来ていただけの時よりも確かに少しずつ広がっていった。
避けては通れなかった矢場とんと味仙、インターネットやSNSの情報のみならず時には直感と嗅覚で入ってみた飲み屋や喫茶店、千種のイオンで待ち合わせをして鶴舞公園で一緒に缶ビールを飲んだカネコアヤノが好きなあの人への片想い、目と鼻の先に点在するクラブやレコード屋、そして、矢場町に住んで一年半が経った頃にできた彼女とのことや都会に暮らす日々での心の機微……
名古屋は栄5丁目 矢場町での約2年半の生活を綴った、全48篇収録の日常エッセイ集。
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